シャールの作品タイトル2

たちき「昨日の続きですけど、視点を変えてみてもいいのではと思いました」
シャール「どういうことですか?」
たちき「昨日のタイトルは全部僕視点でしたけど、例えばシャール視点だとどういうタイトルになるのかな、とか」
シャール「なるほど。逆転の発想ですね」
たちき「というわけで、今日はシャールがタイトルを考えてください」
シャール「わ、私に大喜利させるつもりですか?」
たちき「ほらほら、どうぞ」
シャール「はあ。仕方ないですね。では『妖精のわたし、気が付いたら異世界に召喚されていてしかも記憶喪失なんだけど』」
たちき「異世界っていうか現代のこの世界のことですよね。なるほど、異世界召喚系ではなく異世界からの召喚系ですね」
シャール「『妖精のわたし、異世界に召喚されたけど右も左もわからないから記憶喪失のフリをしてなんとか乗り切る』」
たちき「え! シャールの記憶喪失って記憶喪失のフリだったの?」
シャール「さあどうでしょう。次は『妖精のわたし、異世界に召喚されたら冴えない高校生の話し相手をすることになったけどまあまあ楽しいからしばらくはお喋りしながら毎日を過ごそうと思う』」
たちき「冴えない高校生って誰のことですか。失礼ですね。しかもまあまあ楽しいってなんですか。僕はとっても楽しいのに」
シャール「『妖精のわたし、異世界に召喚されたけど実は世界の救世主としての役目があるのを忘れていて冴えない高校生と日常会話している件』」
たちき「ツッコミどこ多すぎ! 冴えない高校生はともかく、世界の救世主って何者とかその存在が記憶喪失なのって大ピンチじゃんとかその状況で日常会話してる場合じゃなくないですかとか!」
シャール「結局全部にツッコミ入れましたね。次は方向性を変えて『妖精のわたし、異世界に召喚されて冴えない高校生の話し相手をすることになってしまったから少しでも自分好みに育ててみようと奮闘するお話』」
たちき「シャール好みに育てられちゃうんですか、僕。きゃっ」
シャール「キモいです」
たちき「ひどいです。シャール好みに育てられたいのに」
シャール「………………」
たちき「無言のジト目やめてください」
シャール「『妖精のわたし、異世界に召喚されたけど記憶喪失になって行く宛もないから冴えない高校生にしばらくまとわりつくことにしたけど、話していたらオタク趣味に染められてしまって思いのほか楽しくなったからそのまま居着くことにした』」
たちき「昨日の書いたタイトルの下から二番目のをアレンジしてきましたね。ということはもしかして次は……」
シャール「『妖精のわたし、ある日突然異世界に召喚されてわたしの可愛い容姿に冴えない高校生がハイテンションになったけど、わたしの身長が約30cmと知ってラブい展開にならないから「人間サイズの女の子と出会いたかった……」とがっかりされた件。』」
たちき「途中からおかしくないですか。日頃からファンタジー的要素を求めてる身としては可愛い妖精さんと出会えてがっかりする要素はないんですけど」
シャール「けれど『空から女の子が!』みたいに可愛い人間の女の子のほうがいいんですよね? 妖精はお呼びじゃないんですよね?」
たちき「質問が嫉妬とか拗ねてるとか通り越して完全に悪意を感じるんですが……」
シャール「ちゃんと答えてくれれば機嫌治してあげます」
たちき「やっぱり昨日から怒ってたんじゃないですか」
シャール「怒ってませんけど」
たちき「えっと、僕の16歳の誕生日にシャールが僕のとこに現れてくれたのは本当に嬉しいし、あの日から毎日のお喋りが楽しいし、これからもずっとシャールと居たいっていうかシャールがずっと傍にいてくれたらいいなって思ってます」
シャール「…………」
たちき「なんか言ってください」
シャール「たちき、顔が赤いです」
たちき「誰のせいですか。シャールが言わせたから……」
シャール「『妖精のわたし、理由もわからないまま異世界に召喚されて記憶喪失になったけど、偶然出会った男の子が助けてくれたからしばらくは彼と楽しくお喋りしながら日常生活をしてこの世界に慣れていこうと思います』」
たちき「最後はほのぼの日常系のタイトルですね。……というかそれって僕への告白なのでは?」
シャール「どうしてそうなるんですか。全然違います」
たちき「『冴えない高校生』が『男の子』になってるし。ていうかシャールも顔が赤いですけど?」
シャール「知りませんっ」