シャールと体験版5

たちき「では今日は、思い出に残るあの体験版について」
シャール「具体的な作品名も出すのかな?」
たちき「場合によっては。普通のファンタジーRPGをテーマにしたとあるゲームの体験版についてです」
シャール「RPGってことは、戦闘もあるの?」
たちき「あるようなないような……」
シャール「どういうことよ」
たちき「戦闘はあるけどエンカウント式ではなくすべてストーリーでの戦闘だけで、一応『たたかう』『まほう』『ぼうぎょ』とかコマンドはあるけど、ぶっちゃけそれが美少女ゲームにおける好感度選択肢になってまして」
シャール「よくわからないけど珍しいタイプのゲームなのはわかったわ」
たちき「いやいや、普通のファンタジー作品ですよ」
シャール「コマンドがあきらかにとある大作RPGを意識してない?」
たちき「気のせいです。ヒロインは『ゆうしゃ』で、仲間ヒロインも『せんし』とかだけど、気のせいです」
シャール「あきらかに気のせいじゃなさげだね」
たちき「もう一人のヒロインは『しんかん』です」
シャール「そこは僧侶じゃないんだ」
たちき「そして主人公は『まほうつかい』で、ゆうしゃたちとパーティーを組んで魔王を倒しにいくお話です」
シャール「ほんとに普通のRPGだね」
たちき「まあ実は、主人公こそが魔王なんですけどね、そのゲーム」
シャール「途端に普通じゃなくなった!? え、どういうこと? 魔王がなんで勇者パーティーに入って魔王退治に行くの?」
たちき「そのあたりが体験版で語られるんですが」
シャール「気になるから体験版部分だけ教えて。製品版の中身までは聞かないから」
たちき「では簡単に。親から魔王の座を受け継いだばかりの主人公は美少女の姿をした預言書ヒロインから『あなたは勇者に倒されます』とさらっと宣告されなんとかしなければ魔王城で待つだけではダメだと勇者を探して先に倒してしまおうと思ったけど見つけた勇者ヒロインはなんとスライム(?)に倒されてしまい安心したのもつかの間、翌日勇者は生き返っていて話を聞いたら持ち金が半分になってしまったとのこと」
シャール「昔のRPGあるあるだね」
たちき「勇者は死なない、であればせめて仲間との合流はさせまいと戦士ヒロインや神官ヒロインのもとへ先回りするもなんやかんやあってうまくいかず、結局導かれし三人が出会ってしまう」
シャール「昔のRPGあるあるだね」
たちき「ちなみにこの勇者、街の人みんなに話しかけたり人の家のタンスを勝手に開けたりします。街の人に話しかけても同じことしか喋りません」
シャール「昔のRPGあるあるだね」
たちき「結局勇者をどうもできないまま魔王討伐に旅立つ三人。せめて同行して邪魔してやろうと主人公は魔法使いとしてパーティー参加を望み、四人(と預言書ヒロイン)で旅立つのでした……」
シャール「そこでOPムービーが流れるんだね。わかります」
たちき「ここまででもう充分面白かったんですよ、このゲームの体験版」
シャール「まあ、あきらかに某大作RPGを意識してるよね。元ネタを知ってれば面白い、みたいなネタが満載で」
たちき「そうなんですよ。加えて、もう一つの大作RPGも意識していたみたいで」
シャール「例えば?」
たちき「チョ○ボが出ます」
シャール「嘘でしょ?」
たちき「正確には、チョ○ボやら薬草やら作戦名やら作品ロゴやら諸々をパロディーしすぎて本家に(多分)怒られて、初代体験版は伝説となりました」
シャール「ほんとに?」
たちき「僕は修正版の体験版からしかやってないですけど、初代体験版の実況動画見てたらあきらかにチョ○ボ的なキャラがいましたよ。他にもほんっとにいろいろパロディー満載な体験版だったみたいで」
シャール「なにそれ、すごくやりたい」
たちき「僕も興味ありますけど、今は手に入らないみたいです」