シャールと天気3

たちき「いや〜、今日の台風は大変でしたね。雨も風もすごくて電車も動かなくて」
シャール「ちょっとちょっと」
たちき「昨日の夜のうちに通り過ぎてくれればよかったんですけど、残念ながら日中に直撃コースで」
シャール「いやあのさ」
たちき「だからちゃんといろいろ準備したんですよ。どやあ」
シャール「どやあじゃなくて。さっきから何を言ってるかわかんないんだけど」
たちき「何がですか? 昨日から今日にかけて世間を騒がした台風のお話ですよ?」
シャール「確かに世間を騒がしたけど、たちきの周りは騒がしてなくない? ぶっちゃけ、昨日も今日も傘いらなかったでしょ。ていうか電車も止まってないでしょ」
たちき「……台風が来るっていうからいろいろ準備したのに……」
シャール「あ、現実から目を背けてたんだ。何があったの?」
たちき「順番に話すと、普段のお昼ご飯は食堂を使うんだけど土日は混むからコンビニで買って休憩室で食べてるんだよね。でも今日は台風が来るみたいだし昼に買い物行けなそうだから、前日、つまり昨日のうちにスーパーで惣菜パンとかいくつか買ってお昼ご飯にしようと思ったんです」
シャール「でも今日は台風が全然来なかったよね」
たちき「朝も傘は持ったけど使わなかったし、昼はコンビニまで傘持っていったけど使わなかったし、帰りも傘使いませんでした」
シャール「あ、パンは持ってきてたけど結局お昼はコンビニ行ったんだ」
たちき「パンだけじゃちょっと……て思って。まあ昼にパンも一つ食べましたけど」
シャール「残りのパンは?」
たちき「持ち帰ってきて本日のお夕飯ですもぐもぐ」
シャール「それで今日はパンに囲まれた食卓なんだ」
たちき「たまにはパンのお夕飯もいいよねもぐもぐ」
シャール「賞味期限明日までみたいだし、無理に今日全部食べないで明日の朝ご飯にしてもよかったんじゃ?」
たちき「(もぐもぐ……)……あ」
シャール「気付いてなかったんだ」
たちき「た、たまにはパンのお夕飯もいいよね」
シャール「それはさっき聞いた」