シャールとゲートボール5

シャール「陣地? どういうこと?」
たちき「昨日、赤チームの1番ボールが第2ゲート付近に、白チームの2番ボールが第3ゲート付近にというとこまで話しましたね」
シャール「その流れからすると、赤チームは第2ゲート付近に、白チームは第3ゲート付近に陣取るってことだよね?」
たちき「そうです。そして赤チームは第2ゲートを通過させることを優先させます」
シャール「それはわかるけど、じゃあ白チームは? 昨日も言ってたけど第2ゲート通過してないのに第3ゲートに陣取っても意味なくない?」
たちき「実はですね。ゲートボールというスポーツはいかにして自分が上がるかよりも、いかにして相手チームを邪魔するかというほうが重要なんですよ」
シャール「ゲームとしては理解できなくもないけど、スポーツとしてそれはどうなの?」
たちき「その戦略を踏まえて、白チームがなぜ第3ゲート付近に陣取るか」
シャール「わかった! 例え赤チームが全員第2ゲートを通過しても、第3ゲートを封鎖していれば赤チームを止めることができるんだ」
たちき「そういうことです。第2ゲートを通過して第3ゲートを狙ってきた赤ボールをスパークでアウトにさせるわけです。とはいっても白チームはずっと第3ゲートにいては勝てませんから、機会を見て第2ゲートを狙いにいかなくてはなりません」
シャール「第2ゲートも第3ゲートも、それぞれのボールが5個集まってるんでしょ? 適当に狙えばどれかには当たるんじゃない?」
たちき「その通り。特に第3ゲートに陣取ったチームは、味方ボールをスパークで送り込みつつ最終的には若干賭けに出るつもりで第2ゲート付近のボールを狙うことも必要になります。1個でも当たれば、その付近に固まっている他のボールを次々に当てることもできます」
シャール「逆にいうと、固まりすぎてるとやられやすいんだね」
たちき「今までの例えは、先攻の赤チーム1番ボールが第2ゲートを狙う前提で話しましたが、もし赤チーム1番が第一打で第1ゲートを外して白チーム2番が第1ゲートを通過した場合は、白チームが第2ゲート付近に陣取って赤チームが第3ゲート付近に陣取ることになります。ゲート順的にはやはり第2ゲートに陣取ったほうが有利なので、つまりゲートボールで何が重要かというと、いかにして第2ゲートを先に取るか、つまり第1ゲートを先に通過させるかです」
シャール「そっか。赤チーム1番や白チーム2番はスタートエリアからの第1ゲート狙いが上手い人にするべきなんだね」
たちき「そうです。テクニックはもちろん、プレッシャーにも負けないメンタルも必要です。ちなみに僕は、ずっとチームの3番手として5番か6番ボールを担っていました」
シャール「微妙な位置だね」
たちき「うちのチームの1番手は一個下の学年でチーム最年少で、とにかく第一打の成功率がチーム一番という優秀な少年でした」
シャール「チームは男女混合なの? 出会いとかはないの?」
たちき「どうだったかな。よく覚えてないです。ジュニア大会とか、男女別だったのか男女混合だったのか……。うちは男子5人のチームでしたけど」
シャール「そこでチーム内に女の子がいれば、いつかおじいちゃんおばあちゃんになってもまたゲートボールしようね、ってフラグ立てられたのにね」
たちき「どんなフラグですか」