シャールとゲートボール4

たちき「二日間ざっくりとルールを書きましたが、わかっていただけたでしょうか」
シャール「だいたいわかったよ」
たちき「そして、ゲートボールトーク初日に書いた、僕の初ゲートボールの話に戻るのですが……」
シャール「えっと……なんの話だっけ?」
たちき「読み返してください」
シャール「……ふむふむ、第1ゲートを通れなかった? あれ、それじゃ30分ずっと何をしてたのかな」
たちき「だから、自分の打順が回ってきたらひたすらスタートエリアから第1ゲートを狙ってたけど通過できなかったんですよ! たちき、(多分)9歳のゲートボールデビューは苦い思い出です……」
シャール「でも回りのおじいちゃんおばあちゃんは優しかったんでしょ?」
たちき「まあ、一人で足を引っ張ってたわけですが、逆に考えても10歳に満たない孫のような子供がひたすら第1ゲートを狙う姿は微笑ましかったのか滑稽だったのか」
シャール「ネガティブにとらえないで! きっとみんな、たちきのことを温かく見守っていてくれてたんだよ」
たちき「ならいいんですけどね」
シャール「それがきっかけで、ゲートボールを続けるようになったの?」
たちき「そのあとどうしたかはちょっと覚えてないんですけど、地域の同い年くらいの小学生とチームを組んでジュニアの大会に出た覚えがあります」
シャール「いきなり話が大きくなった!」
たちき「そうでもないですよ。うちの地域だけじゃ子供の数が足りなかったから隣町の小学生と組んだり。といっても同じ小学校の顔見知りでしたけどね」
シャール「地域を飛び越えたチームワークだね!」
たちき「それが小学校五年くらいだったと思うから、数年はゲートボールを続けてたはず」
シャール「数年しかやらなかったの?」
たちき「まあ、当時はいろんなことにチャレンジしたい年頃だし、ゲートボールが嫌いになったり飽きたりしたというよりは他のことに忙しくなったんだったかな、多分。自分で言うのもなんですが、結構上達しましたよ」
シャール「それなら、せっかくだからもう少しゲートボールのこと聞きたいかも」
たちき「じゃあゲートボールの戦略とかそのあたりの話もしましょうか。第1ゲート通過後、第2ゲート手前付近にボールを転がして次の打順第2ゲートを狙うわけですが」
シャール「ゲートを通過したらもう一回打てるんだよね」
たちき「赤チームの1番が第1ゲート通過して第2ゲート手前にボールを転がしたとして、次の白チーム2番の選手はどうすべきか」
シャール「第1ゲート通過させたら第2ゲートを狙うんじゃないの?」
たちき「でも打順は1番の選手のほうが早く回ってくるんだから、2番ボールの位置が1番ボールに近かったりすると……」
シャール「そっか。1→2で当てられてスパーク打撃で飛ばされちゃうんだ」
たちき「そうです。なのでこの場合、白チームの2番の選手は、第3ゲート付近へボールを転がします」
シャール「あれ? 第2ゲートを通過しないと第3ゲート通過しても意味ないんだよね?」
たちき「そうです。だから第3ゲート付近へ転がすのは通過させるためではなく、むしろ陣地取りや駆け引きのためですね」