シャールとカラオケ11

シャール「デュエットということは、誰かと歌ったんですよね?」
たちき「いえ、一人デュエットですが」
シャール「一人カラオケ、略してひとカラのお話ですか……。寂しいカラオケですね」
たちき「寂しくないですよ。楽しいですよ、ひとカラ。いやひとカラの話はまた今度するとしてですね。この一人デュエット、他の人とカラオケに行ってもやってましたよ。歌いまくりです」
シャール「曲名は?」
たちき「『What's Up Guys?』という男声女声のデュエットソングです」
シャール「また懐かしい曲ですね」
たちき「……曲名、全部大文字でしたっけ?」
シャール「私に聞かれても知りませんけど。確か、たちきが16歳の頃にやっていたアニメの曲でしたよね」
たちき「でしたっけ。アニメはちょっとうろ覚えなんですけど、OPとEDの歌はよく覚えてます。男声パートは普通に歌いつつ女声パートは若干裏声使って女声っぽく歌いつつ。当時の僕の持ち歌の1つでした」
シャール「EDもデュエットでしたね」
たちき「そっちもクールでかっこよくて好きですけど、OPのパワフルで勢いのある感じが大好きでカラオケでよく歌ってたんです」
シャール「ひとりで」
たちき「一人で。しかしですね、ある時女の子と二人でカラオケに行くことになりまして」
シャール「え、デートじゃないですか。そんなことありましたっけ」
たちき「あの時はシャールに見つからないようにこっそり……ていうのはさておき」
シャール「さておかないでください。いつ誰とどこにいったんですか」
たちき「だから、第二期オタク全盛期のあの頃にイベントで知り合った女の子とカラオケにいったんですってば。ちなみに第一期オタク全盛期は高校時代」
シャール「イベント……そんな出会いがあったのですか?」
たちき「話が進まないからその辺りはスルーしますが、とにかくその子とカラオケに行った時にですね。この曲を歌おうとしたわけです」
シャール「ふむふむ」
たちき「そしたらイントロが流れた瞬間その子が食いついて、マイク持って『これ!! 私も歌っていいですか!』って言ってきまして」
シャール「その子も知ってたんですか、この曲」
たちき「知ってたも何も……まあイベントで知り合ったっていうあたりからわかるかもですが、お互いオタクなわけです。しかもおそらくその子は僕よりも全然オタクレベルの高い子で、そこまでのカラオケもお互い主にアニソン満載で」
シャール「楽しそうなカラオケですね」
たちき「楽しかったですよ。ちなみに某ふぃぎゅあ(以下略)みたいな歌も歌ってくれました」
シャール「ガチな子じゃないですか」
たちき「歌もめっちゃうまくて、初めてこの歌をデュエットした僕が主に音程で足を引っ張ってるのに、結果的にめっちゃ気持ちよく歌えるくらい女声パートを歌ってくれて」
シャール「たちきのカラオケレベルって、控えめに言っても人並みもしくは……ですしね」
たちき「まあそうなんですけど。ただ今でも疑問がひとつあります」
シャール「何年も前のことなのに?」
たちき「その子は僕より5つか6つ年下のはずなんですけど、よく『What's Up Guys?』を知っていたなと。いったい何歳の時にこのアニメを見ていたのかと」
シャール「あの作品て、結構センシティブなシーンありませんでしたっけ」
たちき「アニメは抑えられてるはずですけど、原作……いやむしろ漫画は結構センシティブでしたよね」
シャール「その女の子、実はたちきの同年代なのではないですか?」
たちき「プライバシーに関わることになりそうなので詳細は控えますが……というかカラオケと関係ない話になってきたので本筋に戻しますが、まあつまりこの曲は自分だけで歌うにしてもデュエットしたにしても思い入れのある歌なんですよということで」
シャール「今度私も練習しておきますね」
たちき「一人デュエットの練習ですか?」
シャール「本気でその質問してます?」
たちき「本気じゃないですけど……なんかすみません。というかなんで対抗意識燃やしてるんですか」
シャール「たちきも練習しといてくださいね。いつかカラオケ行ったらデュエットします」
たちき「もうカラオケ行くことはないと思いますけど」
シャール「じゃあ次回のドライブの時に車内で熱唱します」
たちき「頑張ってください」
シャール「たちきも歌うんですからね」
たちき「えー……」