たちき「久しぶりに『ブレンド・S』のアニメを見返していて思ったんですけど……」
シャール「また懐かしい作品を持ち出してきたね」
たちき「言うほど懐かしいっていうか昔じゃなくないですか? とまあそれはさておき、今日は僕の小さな夢を語っていいですか?」
シャール「小さな夢?」
たちき「そうなんです。今、僕が書いてる某小説が書籍化して大ヒットしてアニメ化したとして……」
シャール「その時点ですでに小さな夢どころじゃないよね!?」
たちき「アニメも大ヒットして声優さんのステージイベントが開催されて……」
シャール「夢がふくらみすぎじゃない!? そういえばブレンド・Sもイベントあったよね」
たちき「ありましたね。ああいうイベントって、声優さんが作中のキャラのお洋服とか着て出演するじゃないですか」
シャール「そうだね。特に作中のキャラが制服とか着てると声優さんも着るパターン多い気がするね」
たちき「そして、ブレンド・Sには性別男だけど見た目女の子の僕っ子キャラがいるじゃないですか」
シャール「ひでりちゃんだね。中の人、つまり声優さんは女の子だけど。イベントの制服姿も可愛かったよね」
たちき「そこですよ」
シャール「どこ?」
たちき「僕の書いてる某小説に、双子のキャラがいるじゃないですか」
シャール「あー、あの作品かな。たくさんキャラが出てくるファンタジー学園ものの」
たちき「それです。女の子の双子が出てきます」
シャール「女の子の双子? あれ? 双子の片方は男の子で弟じゃなかったっけ」
たちき「そこですよ」
シャール「だからどこのこと?」
たちき「双子の弟、仮にルー君としておきますが、ルー君は諸事情で女の子として過ごしてるので、双子の姉以外には女の子と思われてます。当然制服も女子用を着てます」
シャール「作中ではかなり先までバレないんだっけ」
たちき「序盤でバレるか中盤でバレるかは決めかねてますが、アニメ化した時はぜひ男性声優さんに演じてほしいんですよね、ルー君」
シャール「なんで? 女の子の格好してバレないくらいだから見た目も声も可愛い系なんでしょ? 普通なら声優さんは女の子だよね」
たちき「そこをなんとか、声高めの男性声優さんにオーディション来てもらって」
シャール「なんのこだわり? そもそも原作者にキャスティング権なんてあるのかな」
たちき「わかんないですけど。そしてルー君役の男性声優さんにはぜひイベントで作中のキャラと同じ、つまり女子制服を着て出演していただきたいんです!」
シャール「ほんとになんのこだわりなの!? そしてそれは誰得なの!? というかNGが出るでしょ! 本人か事務所から!」
たちき「ツッコミが多いですね」
シャール「つっこみたくもなるよ。どうしてそうなったのかな」
たちき「なかなかないと思うので、話題にはなると思います。ドキドキの展開です」
シャール「NGが出たら?」
たちき「そうならないように、オーディションの段階で『いつかイベントがあったら女装可の方』にしておきます」
シャール「それで受かったら断れないじゃん! 策士!」
たちき「大丈夫ですよ。ちゃんと控え室は個室を用意しますから」
シャール「なんの心配をしてるの? というそれはもう夢じゃなくてただの妄想だよね」
たちき「夢を見るだけ語るだけならタダじゃないですか」
シャール「それならまずはその小説を完成させるとこからじゃない?」
たちき「うっ、急に現実が目の前に……」
シャール「私も早く続き読みたいし」
たちき「善処します」