シャールとプラネタリウム3

たちき「投影内容もよかったのですが、それ以前にプラネタリウムのドームにまずびっくりしたんです」
シャール「どういうこと?」
たちき「プラネタリウムの部屋に入ってまず思ったのは『僕の知ってるプラネタリウムと違う』でした」
シャール「プラネタリウムって、真上を見上げれば丸い天井になってるんでしょ? 座席に座って背もたれを倒して見るのよね」
たちき「そう思うじゃないですか。先週行ったプラネタリウムは違うんですよ。どちらかといえば映画館に近いのかもしれません。いや、映画館とプラネタリウムのハイブリッド、いいとこ取りしてるのかもです」
シャール「想像つかないわ」
たちき「座席は映画館に近いんです。あんまり背もたれは倒れません。でも前方にスクリーンがあるわけじゃなくて、斜め上に丸い天井があるんです」
シャール「それだと天球が再現しきれないんじゃない?」
たちき「そんなことなかったです。普通のプラネタリウムは寝転がって空を見上げるイメージですが、このプラネタリウムは座ったまま斜め上を見上げるから……」
シャール「そっか。少し視線を上げるだけでちょうど天頂が見えるのね」
たちき「そうです。普通のプラネタリウムに慣れてると最初は少し違和感ありましたけど、慣れてくればこれが普通になるのかもしれません」
シャール「プラネタリウムの新しい造り、ね」
たちき「それだけではありません」
シャール「他にもあるの?」
たちき「プラネタリウムって星を見るのがメインだと思いますし間違ってはないのですが、先日見た番組はそれだけじゃない新しいコンセプトで作られてました」
シャール「星や夜空だけじゃなくて他にも何か見れたの?」
たちき「まずは花火。ハナビリウムの投影では花火が見れたわけですが」
シャール「花火ならテレビでも映画でも見れるわよね」
たちき「普通に花火見るだけならそうですが、なんとプラネタリウムで見れる花火は打ち上げ花火の打ち上げ場所、つまり真下から見上げる花火が見れるんです」
シャール「……それはすごいわね」
たちき「すごかったですよ。自分を中心に前後左右から打ち上がっていく花火。あんな体験普通できませんからね。さらにヒーリングアースでは世界あちこちの絶景が自分を中心に全方向見れます」
シャール「あれはどうやって撮ってるの?」
たちき「多分ですけど、全天球カメラと呼ばれるもので撮ってるんだと思います。文字通り天球型に360度全方向が撮れるカメラがあるんです」
シャール「時代の進化ね。新しいコンセプトで創られた番組ということかしら」
たちき「最後にプラネタリウム見たのがもう何年も前だから、進化にびっくりです。ああいうのは映画館のスクリーンでは体験できませんからね。まあ映画館も何年も行ってないから今は進化してるかもですが」
シャール「4DXとかはすごいらしいわよ」
たちき「なんですか、それ?」
シャール「知らないならいいわ」
たちき「しかし、昨日も書きましたけどほんとにいいアイディアですよね。プラネタリウムと全天球カメラの親和性に気付いてああいう番組を最初に作ろうとした人、実際に作った人、ほんとすごいです」
シャール「たちきも何かアイディアがあるなら試してみたらいいんじゃないの?」
たちき「アイディアというか……実は僕、昔、プラネタリウムの作家になりたかったんですよ」
シャール「プラネタリウムの作家?」
たちき「いやそういう職業があるのかどうか知らなかったし知らないんですけど、とにかくプラネタリウムを作る人になりたかった頃があるんです」
シャール「初耳だわ」
たちき「僕も初めて言いました」