シャールとメガネ

シャール「今日はメガネについて?」
たちき「備忘録も兼ねて書き残しておこうかと」
シャール「じゃあ早速質問。いつからメガネしてるの?」
たちき「手元のメモには、2002年10月23日に眼鏡を作った、とあります」
シャール「なんで年月日まで覚えてるのか気になるけど」
たちき「いつから、よりむしろメガネのきっかけを聞いてほしいです」
シャール「きっかけって、視力が落ちたからでしょ?」
たちき「そうじゃなくて、なぜコンタクトじゃなくてメガネなのかとか、なぜメガネトークをいきなり始めたのかとか、そのあたりを聞いてください」
シャール「じゃあ……こほん。メガネに何か思い入れが?」
たちき「それがですね、聞いてくださいよ奥さん」
シャール「誰が奥さんだ」
たちき「聞いてくださいよ奥様」
シャール「そうじゃない。いいから続き」
たちき「……そう、あれは、僕がまだ16歳の頃」
シャール「男子校だっけ」
たちき「あ……いや待って待って。それじゃ話が進まない。やり直し」
シャール「なんでもいいから早くして。全然話が進んでない」
たちき「中学校の時にね、隣の席にめっちゃ可愛い女の子がいて」
シャール「初恋の?」
たちき「いや、初恋はもっと前だけど……じゃなくて、とにかく可愛い子だったんです、その子。僕なんか、隣の席じゃなかったら全然話しかけられないくらいの。学年でもトップクラスの可愛さで、染めてるわけじゃないのに綺麗なダークブラウンの髪で、いつも二つ縛りにしてて」
シャール「その子が可愛いのはわかったけど、メガネの話はどうした。その子がメガネっ子で可愛かったっていう話に繋がるの?」
たちき「だいたいそんな感じです。普段はメガネしてないんですけど、その子は授業中だけメガネしてました。メガネかけるとめっちゃ印象変わるんですよね。メガネしてなくても可愛いけど、メガネ姿もめっちゃ可愛いんです」
シャール「どんなメガネだったの?」
たちき「今みたいな、黒くて太いフチのがはやってるわけじゃないし、横長の楕円形みたいなのが流行る前だったから、台形(?)の角を丸めたような昔ながらのメガネでしたよ。でもその子には似合ってました。まあ、あの子ならどんなメガネも似合いそうですけどね」
シャール「それで?」
たちき「隣の席だからその子がメガネしたり外したりするのをよく見かけるわけだけど、そのメガネで一番気になったのは耳にかける部分。なんと淡いピンク色だったんです」
シャール「そんなメガネもあるんだ」
たちき「メガネっていったら黒か茶色系かみたいなイメージだったから、ピンク色は斬新でした。めっちゃ似合ってましたし可愛かったんです」
シャール「メガネが?」
たちき「メガネもその子も」