たちき「高校編に行く前に、中学校最後の日、つまり卒業式の日の思い出をひとつ」
シャール「わざわざたちきから言い出すということは、それなりの思い出なんですね」
たちき「卒業式が終わって、第二ボタンをあげたい女の子がいたようないなかったような……そんなたちき少年」
シャール「どっちなんですか」
たちき「後輩が一人欲しいって言ってくれたんですけど、結局あげることができずにポケットに隠したまま……」
シャール「ひどい先輩ですね」
たちき「帰り道、自転車を漕いで帰るたちきの前に、クラスメイトの女の子が一人で歩いてまして」
シャール「気になる子だったんですか。その子に第二ボタンを渡したんですね」
たちき「……勇気が出せずに素通りしました」
シャール「なんでそうなるんですか。続きは!?」
たちき「その子とはそれっきりです」
シャール「何も始まってない!」
たちき「まあ、今も昔もシャイでピュアだったので」
シャール「もしかして、この話はこれで終わりですか」
たちき「さて、ではいよいよ高校編に移りましょうか、自転車トーク」
シャール「なんかもやもやします。その女の子との再会とか……」
たちき「なかったですね。ちなみに前も言ったかもですが、高校は男子校なのでしばらくは甘酸っぱいお話は出てきません」
シャール「これだからたちきは……」
たちき「高校は中学校よりちょっと遠かったので、自転車に乗る時間がちょっと増えました。といってもたんぼの中やら川沿いやらを走っていたから時間はそんなに変わらなかったかもです」
シャール「登校はぎりぎり派ですか?」
たちき「中学の最初の頃はクラスで一番か二番に早い時間で登校してましたけど、途中からはぎりぎり派になってました。高校もぎりぎりです」
シャール「朝からスピード出すのは危ないですよ」
たちき「まったくです。今はもうそんな無茶はできませんね」
シャール「まさか学校帰りもスピードを?」
たちき「いえ、部活帰りは別ルートからサイクリングロードで帰ったり、行きとは全然違う道をゆっくり帰ってました」
シャール「……ほんとのところは?」
たちき「……夕方からのアニメに間に合わなそうな時は猛スピードで帰ってました。でもそういうのがなければゆっくり乗りたいんですよ。ちなみに朝もテレビが見たいからぎりぎりだったこともありました」
シャール「なんのテレビですか?」
たちき「それは年齢バレにつながるのでちょっと……」
シャール「16歳設定はどこにいったんですか」
たちき「はねもりたちき、16歳です」
シャール「ほいほい」