シャールと自転車9

たちき「じゃ、あらためて自転車トーク高校編へ」
シャール「一番遠くまで行ったのはどこまでですか? 小学校は校区内、中学校は市内ということは、高校はきっと県内を走り回ったんですよね」
たちき「いやー、さすがにそこまでは。パッと思い出したのは、約10キロ離れている友人の家ですね」
シャール「一番遠くて10キロって。全然遠くないじゃないですか」
たちき「そうは言っても、隣の町を越えて村を越えた先なので、結構な距離でしたよ。少なくとも初めての時は大冒険でした」
シャール「無事に辿り着けたんですか」
たちき「途中で友人と待ち合わせの予定でしたけど、一本道なので待ち合わせ場所よりだいぶこちら側まで迎えに来てくれて、無事に会えました」
シャール「帰りは一人で帰れましたか?」
たちき「県道でほぼ一本道なので迷うことはないです。何回か遊びに行きましたけど、毎回冒険のような楽しさがありました」
シャール「そう聞くと、約10キロがちょっと遠い距離に思えなくもないですね」
たちき「ちなみに、親に聞いたらその友人のうちまで僕を迎えにきて自転車も車に乗せて帰ったことがあるらしいんですが……」
シャール「たちきが急な体調不良とか。もしくは豪雨で自転車で帰れなくなったとか」
たちき「……理由は覚えてないんです。というか友人のうちまで親が来た覚えもないです」
シャール「それはどうなんですか。親ではなく友人に聞いてみては」
たちき「それで友人もしっかり覚えていて僕だけなんにも覚えていなそうなオチになりそうだからやめておきます」
シャール「他に遠出した覚えはないんですか?」
たちき「山へ登る……というか、なんとなく北へ北へ行ったらどこまでいけるか試した覚えがあります」
シャール「山へ登れたんですか?」
たちき「さすがに無理でしたね。自転車も普通のシティサイクルでしたし。ある程度の上り坂であきらめて引き返して、帰りは下り坂でめっちゃスピード出て怖かった覚えがあります」
シャール「自転車での下り坂には気をつけてくださいね」
たちき「それ以降も北へ行くのに味を占めて、限界まで行かなくとも適度な場所まで上って帰りは下るというのが一時期マイブームになりました。平日学校が早く終わった日とか、休日の午前に部活があった帰りとか、明るい時の寄り道って感じですね」
シャール「ちなみにそれはやっぱりたんぼや畑の中の道なんですか」
たちき「だいたいそんな感じですが、途中からはたんぼじゃなくて畑や林の中の道ですね」
シャール「ワイルドですね」
たちき「それほどでも」
シャール「北以外の寄り道は?」
たちき「では明日は、学校帰りに自転車でゲーセンに行ってた話をします」