シャールとボウリング8

たちき「ボウリング講座、いいですね。もっと深く語りましょうか」
シャール「でもそのためには文章だけじゃなくてイラストとか動画が必要じゃない?」
たちき「…………ボウリング講座はさておき」
シャール「あ。諦めた」
たちき「ボウリングで一つ思い出したことがあるので今日はそれについて」
シャール「なにかしら」
たちき「昔からドラマとかさっぱり見なかったんですけど、16歳の頃だったかな。ボウリングを題材にしたドラマがあって、これはちょっと見てみようかなと」
シャール「もしかして『美しきチャレンジャー』ですか? 時代を感じますね」
たちき「そっちじゃないです。『ゴールデンボウル』のほうです」
シャール「どんな内容なんですか?」
たちき「詳しくは覚えてないんですけど、ラブストーリーなんですよね。シリアス寄りのコメディーな感じで。……いや逆かな。コメディー寄りのシリアスかも。ボウリング場を舞台に、毎回何かしらボウリングの試合があったのは覚えてます。しかも対戦相手のゲストも豪華だったり」
シャール「今、あらすじを調べてみたけど……ひとことで言うと、これって浮気っていうか不倫のお話?」
たちき「まあ主人公が独身男性でヒロインが主婦ということは……そうなるんでしょうか。そもそもヒロインの旦那さんが不倫してたんじゃなかったでしたっけ。うろ覚えですけど。こんな綺麗な奥さんがいるのに」
シャール「ほんとに綺麗なお姉さんよね」
たちき「わかります。こんなお姉さんと出会いたいです」
シャール「近所のボウリング場に行ってみたら?」
たちき「それはさすがにちょっと……。女性一人で投げてるとこに話しかけにいくとか、普通にナンパですよね。そんな勇気はないです」
シャール「ドラマで印象に残ってる場面は?」
たちき「クリスマスツリーのとこはなぜか鮮明に覚えてます」
シャール「クリスマスツリー?」
たちき「スプリットの一種で、2・7・10か3・7・10のピンが残った状態らしいです。当時はボウリング用語を全然知らなかったのでこの場面で初めてこの名前を知りましたけど、なんとこの場面で主人公が驚くべき投球をします」
シャール「利き腕じゃないほうで投げるとか」
たちき「あー……右投げなら3・7・10はなんとかなりそうですけど、2・7・10は……なるほど、左投げをすれば確かにいけるかも? まあ、ドラマではそうではなく、なんと目隠しをして投げます」
シャール「どうしてそうなった」
たちき「しかも大事な試合中に」
シャール「無理があるでしょう」
たちき「試合中も会話重視のドラマなのです。もちろん、ばっちりスペアですよ。あのシーンはかっこよかったですね」
シャール「ただでさえ取りづらそうなスプリットなのに」
たちき「仲間うちでも、3・7・10が残ると、クリスマスツリーキター! と盛り上がりました。僕も一応ビギナーズラックでスペアとったことありますけど、気持ちよかったですね」
シャール「ちなみにドラマの結末は……」
たちき「よく覚えてないです。冒頭に書きましたが、基本的にドラマ見ないんで。とはいえ、思い出しながら書いていたらもう一回見たいなとちょっと思ってきました」
シャール「わたしも気になる」
たちき「では、覚えていたら手に入れてみます」