シャールとボウリング7

たちき「スパットの話をする前にあらためて確認ですが。どうやったらストライクが取れると思いますか?」
シャール「そう言われても。1番ピンに必ず当てるとか」
たちき「まあそうですね。重要ですね。でもただ1番ピンを狙うだけじゃダメなんです」
シャール「あ、それは少し知ってるかも。確か、まっすぐ投げてど真ん中にボールがいっちゃうと左右にピンが残りやすいんだっけ」
たちき「そうです。ひどい時は4・6・7・10が残ったりします。そうならないために、1番ピンに当てつつ少しずれたとこを狙うとストライクが出やすくなります」
シャール「右投げの場合は、1と3の間を狙うんだっけ」
たちき「そうです。で、1番ピンが2→4→7を倒して、他は3番ピンとボウルで倒して……みたいなピンアクションを狙います」
シャール「ということは、ど真ん中からまっすぐ投げるんじゃなくて、1・3の間を目掛けてまっすぐ投げる……」
たちき「そういう方法もありでしょう。しかし、ボウリングの番組とか見たことありませんか? プロボウラーの方々がどういう投球をしているか」
シャール「見たことあるかも。確か、レーンの右側に向けてボウルを投げてだんだん左に曲がってカーブするような……」
たちき「そうそう。人によっては右側からまっすぐ投げて左にカーブさせる場合もありますが、とにかく狙うは1と3の間です。ストライクを出すためには、一投目は常に同じ投球動作で同じコースへ同じカーブで同じボールを放り込むことが重要なのです」
シャール「それだと1センチでもボールを外したらストライク出ないんじゃ」
たちき「ピンアクションの偶然性もあるから多少誤差があっても1・3に入ればストライク出るとは思うけど、まあなるべく同じボールを毎回投げられるようになるのが理想です」
シャール「簡単に言うけどピンまで結構遠いし狙うの難しいでしょう」
たちき「そこでスパットの話に戻ってきます。狙うのはピンじゃなくてスパットなんですよ」
シャール「どういうこと?」
たちき「例えば、右から2つめのスパットの上を通るように投げる→ボールが曲がりすぎて1番ピンに当たらないで左に逸れてしまった。そんな時にどうしたらいいと思う?」
シャール「投げる力を強くすればボールが曲がる前にピンに届くんじゃない?」
たちき「それも正解です。じゃあ同じ力で投げるとしたら?」
シャール「左に強めに曲がるんだったら、最初から右に投げるとか?」
たちき「そうです。この場合なら、投球する時の立ち位置や力じゃなくて、同じ位置から同じ力で2つめのスパットじゃなくて一番右のスパットを狙うことで、ボールの曲がる位置を調整します」
シャール「その例えだと、スパットじゃなくて立ち位置を調整してもいいんじゃない?」
たちき「そうです。投げ始めに構えるところにも、実は足元にマークがあるので、右足のつま先をいくつめのマークの場所に、とかを意識しておけば、じゃあ次は一つ左のマークから、とか調整もできます。ボウリングはピンだけ見るんじゃなくて、足元やスパットなども意識できるようになることが初心者卒業の第一歩ではと思います」
シャール「なんかいつの間にかたちきのボウリング講座みたいになってるけど」