たちき「小さい頃に読んだ、とある漫画に影響されたのかも。深夜の散歩」
シャール「私も知ってる漫画?」
たちき「うん。有名な少女漫画」
シャール「深夜に徘徊するキャラクターが登場する漫画って、怪しくない? ミステリーとかホラー系とか」
たちき「そんなの僕が読むはずないじゃないですか。普通のファンタジーですよ」
シャール「そうよね。そうなると……」
たちき「昨日シャールが言った、マントにはどきりとしましたよ。あとはかっこいいお洋服着てステッキとか持ちながら徘徊できたらいいんですけど」
シャール「…………まさかとは思うけど、それって怪しい仮面を付けてタキシードを着てるあの人のことじゃ」
たちき「正解です。とある宝石を求めて夜な夜な徘徊していた某タキシード仮面様のように、深夜の街を散歩していたのです」
シャール「ええ〜」
たちき「そんなどん引きしなくても。さすがにタキシードまでは真似してませんよ。マントは憧れるけど」
シャール「そういう問題じゃないんだけど」
たちき「だから実家暮らしの時は妄想だけでした」
シャール「そりゃ、たちきの実家の周りを散策したとこでたんぼと畑しかないしね」
たちき「深夜徘徊にはちょっと微妙です。だから一人暮らしして都会に出てきてからは」
シャール「都会?」
たちき「話の腰折らないで! 都会に出てきてからは、深夜に駅前とかまで歩いて、たまにビルを見上げて夜空を見上げて、ファンタジー的な何かが起きないかとわくわくしながら散歩してるわけです」
シャール「結局中二オチなのね」