シャールとテニス4

たちき「ていうかここまで全然話が進んでなくないですか。僕が高校からテニスを始めた、くらいしか喋ってない気がするんですが」
シャール「どうしてでしょう」
たちき「シャールが変な質問ばっかりしてくるからだと思いますけど」
シャール「それがシャールクオリティ」
たちき「まさかの僕のパクリ!? 完全に遊んでますよね」
シャール「バレてしまいました」
たちき「そろそろ真面目にテニス語りしたいんですが」
シャール「どうぞどうぞ」
たちき「えっと、高校でテニス部に入ってまずはボール拾いから」
シャール「基本ですね」
たちき「そのあとは、ボレー&ボレーの練習だったかと」
シャール「どんな練習ですか?」
たちき「名前の通り、二人一組でひたすらボレーをするんです。地面にボールを落とさない」
シャール「それって簡単なんですか? それとも難しい?」
たちき「お互いが相手の打ちやすいとこを狙って返していればラリーを続けるのは簡単ですが、打ちやすいとこに返せるようになるまでが難しいんです」
シャール「なるほど。狙ったとこに返せるようになれば、いざ試合で相手の打ちにくいとこに返せるようになるってことですね」
たちき「そうです。だからこの練習は、いかにラリーを続けられるかがポイントです」
シャール「ずっとフォアだけですか?」
たちき「いえいえ、まずはフォア&フォアから始めますが、次はバック&バックやフォア&バック、さらに慣れてきたらフォアフォアバックバックと難易度をあげていきます」
シャール「それ、ボールの軌道を変えるんですか? それともボールの軌道はずーっと変えずに、自分の立ち位置を変えてフォアとバックを打ち分ける?」
たちき「いい質問ですね。結論からいうと、どちらもいい練習になるので、どっちも練習します。ボールの軌道固定か、足位置をほぼ固定か」
シャール「どっちも難しそうですけど」
たちき「慣れるとボール軌道固定のほうが簡単ですが、常にボールに対して回り込むので疲れます。足位置固定のほうは相手の左右を交互に狙うので、狙ったとこに返す練習にはもってこいですが、やっぱり難易度はちょっと上がりますね」
シャール「それをだんだん速くしていくんですよね」
たちき「そうです」
シャール「そして次はボールを2つや3つに増やして……」
たちき「それは無理です。そういうのはテニス漫画の中だけです」