シャールと佰物語・国語

たちき「国語は得意でも不得意でもなかったけど、作者の心情を答えよ、みたいな問題は苦手だったなー」
シャール「まあ作者本人に聞いたわけじゃないでしょうしね」
たちき「ほんとだよ。そういう明確な答えが出ない問題はとにかく嫌いだった。逆に好きだったのは小説とかかな。文学系の真面目な作風じゃなくて、児童文学の冒険ものとか、あと覚えてるのは蝶々の標本を壊しちゃったやつとか」
シャール「タイトルは?」
たちき「覚えてないんだけど。授業の一環でその続きを書こうみたいな流れで、僕ならこういう未来をってことでハッピーエンドになるように書いたんだよね。結構長く書いちゃった覚えがある」
シャール「その頃から、小説とまでは言わなくても何かを書く楽しさに触れはじめたのかしら」
たちき「かもね。あと国語で覚えてるのは、竹取物語だったか平家物語だったかの時に、教科書数ページ分暗記して授業中に暗唱するっていうのがあったんだけど」
シャール「やったの?」
たちき「そういうのは苦手じゃなかったからね。次の授業の時に一番手で手を挙げて、一つも間違えずに読み切ったら教室がシーンとなって先生も驚いた顔してましたね。あとから聞いた話だと、他のクラスではなかなか手が挙がらずに、仕方なく読みはじめた生徒も一番手でうまく言えた人がいなかったみたいで」
シャール「一番手のプレッシャーもあるし、授業独特の雰囲気もあるしね。失敗しちゃうのもわかる気がするけど」
たちき「今は物覚え悪いし物忘れひどいけど、あの頃は記憶や暗記系のお勉強はまあまあ得意だったからね。今は物覚え悪いし物忘れひどいけど」
シャール「わざわざ二回言わなくても」
たちき「大事なことだから、ではなく、まじで記憶力が衰えてるんですよ」