シャールと佰物語・入学試験

シャール「入学試験のことって、何か覚えてることあるの?」
たちき「小学校と中学校は近所の普通の公立だったから、初めての入学試験は高校受験てことになるけど。うちの地域は本命は公立で、私立は滑り止めっていうのが一般的だったんだよね」
シャール「たちきも?」
たちき「もちろん。だから三月が本番で、十二月や一月に一応私立を受けて、みたいな流れだったかな。私立は三つ受けた気がするけど……いやもしかしたら二つだったかな」
シャール「なんでそこが曖昧なのよ」
たちき「ちなみに十二月に受けた私立の学校はクラスで七人くらいしか受けなくて、他の二十人以上は別の日に別のとこを受けにいってて。だからその日は一日中、七人で授業を受ける日があったんだけど」
シャール「それ授業にならないでしょ」
たちき「うん。だからほとんど自習で、給食食べ放題だったのはよく覚えてる。残った七人に謎の連帯感というか結束があったよね」
シャール「試験当日は?」
たちき「塾の先生が応援にきてくれてたんだけど、今思うと高校の敷地内になんで入れたんだろ。毎年恒例だったのかな」
シャール「無事、本命に受かったの?」
たちき「それはまた明日」