シャールと二重魔法2

たちき「二重魔法『光炎球』について。炎を包んだ光の球なので、見た目はただの光の球です。大きさは直径約20センチ」
シャール「何に使うんだ? 灯りとか生活魔法か?」
たちき「それなら光の球でいいし炎だけでも充分じゃないですか。『光炎球』は攻撃魔法として使われます」
シャール「もう少し詳細を知りたいな」
たちき「作中では魔法大会の決勝戦で主人公が一か八かで初めて使いました。難しい魔法のため準備に若干時間がかかります。炎を包んだ光の球なので見た目は光の球ですが、何かに触れるかまたは術者の任意で中の炎が爆ぜます」
シャール「爆発するってことか?」
たちき「爆発とまではいきませんが、光の中に閉じ込めた炎と合わせて光の力と炎の力がふくらんで対象を吹き飛ばす魔法です。魔法はイメージが大切なので、結構難しい部類に入る魔法です。多分」
シャール「それだとわざわざ二重魔法を使わなくても光の球とか炎の球とかでいいんじゃないか?」
たちき「そこはまあ、追いつめられて相手の知らない魔法で反撃とか考えがあったわけですよ。で、炎の球よりは光の球のほうが速いし、相手からしたら迎撃ではなくとっさに光の球を避けたらそれが爆ぜて吹き飛ばされる……という展開です」
シャール「見た目が光の球なのに実際は炎の球で、しかも両方の特性を持つ魔法なわけだ」
たちき「威力や効果も抜群です。さて次は『水』と『音』の二重魔法『水音波』について」
シャール「名前からしてだいたい想像はつくが一応聞こう。どんな魔法なんだ?」
たちき「水面に波紋を作りつつその上に音波を拡げていく魔法です」
シャール「ほんとにまんまだな」
たちき「実はこの魔法が、僕が最初に考えた二重魔法だったりします。といっても最初は魔法名はなくて『水音波』という名前はあとから決めました」
シャール「さっきの説明からすると、これは攻撃魔法じゃないよな?」
たちき「作中では湖の水面に対して波紋を起こしつつそれに重ねるように音波を共鳴させることで、ただの『音魔法』より繊細かつ清澄、さらに優美に雄大に音色を奏でることができる、とあります。だから攻撃魔法ではなく、かといって生活魔法でもなく……しいていえば芸術魔法? という感じでしょうか」
シャール「なんで考えた本人が疑問系なんだ?」
たちき「詳細は決まってないんです。ちなみに『水音波』もさきほどの『光炎球』と同じく発動までには時間がかかります」
シャール「なるほど。効果が高いだけあって、ゲームで例えるなら詠唱に時間がかかるわけだ。使いどこは難しそうだな」
たちき「………………二重魔法はだいたいそうなりますね」
シャール「なんだ今の間は。明らかに『そういうことにしよう』みたいな表情だったぞ」
たちき「そんなことはないです。これから書く二重魔法もほぼ、あえて使いどこ難しくしようとか考えてないです」
シャール「まあ、それならいいが。さて次の二重魔法は?」
たちき「では『風爆傘』について」