シャールと真・三國無双と……27

たちき「僕の友人にゲーム大好きなゲーマーがいまして。仮にG君としますが」
シャール「それ大丈夫? 身内バレしない?」
たちき「あ、そっか。じゃあ無難にA君で」
シャール「それはそれで……まあいいけど」
たちき「彼は格闘ゲームから恋愛シミュレーションまで幅広くいろんなゲームをやっていてどのゲームでもそつなくこなすマルチゲーマーで、対戦しても僕はほぼ負け越ししてます」
シャール「それ、彼がゲームうまいんじゃなくてたちきが下手なんじゃ……」
たちき「唯一勝ち越しできてるのはバーチャロンシリーズくらいでしょうか」
シャール「それ、たちきの持ちキャラがフェイイェンで彼の持ちキャラがエンジェランだから相性もあると思うけど」
たちき「特に、あの伝説の対戦型恋愛シミュレーションゲームネクストキングではまぐれで一回勝てた以外全敗という戦歴……今でもあの一回はなぜ僕が勝てたのか、二人の間で疑問というか疑惑の勝利として語り継がれています」
シャール「話が逸れてるけど。ていうか対戦型恋愛シミュレーションゲームってなに?」
たちき「おっと、その話をするとさらに話が逸れるので無双に話を戻します。どうやらA君は無双シリーズもやったことがあるとのこと。で、彼がうちに遊びに来たときにどういう流れかは忘れたんですけど『無双4猛将伝の立志モードやってみない?』みたいな話になって、プレイしてもらったんです」
シャール「上官は?」
たちき「覚えてないんですけど、建業の戦いがあったから魏か呉のキャラのはず。天性のゲームセンスを持つ彼でも建業の戦いは何度も苦戦するに違いない(ニヤリ)、とあえて建業の戦いの難しさは言わずにアドバイスもせずに横でゲームを見ていたら……」
シャール「あ、うん。もうオチが読めた。A君は苦戦しないでクリアしたんだ」
たちき「そうなんですよ。多少手間取っただけで、まさかの一発クリアでした」
シャール「それはすごい」
たちき「僕はもうポカーンとしてしまいました。嘘やろ……みたいな気持ちで」
シャール「なんで関西弁」
たちき「とまあそこで、このステージは僕や某先輩がめちゃくちゃ苦戦したステージでとネタばらししたら『確かに難しかった、危なかった』と余裕の表情で。これが真のゲーマーの持つ天性のゲームセンスかと見せつけられました」
シャール「天性のゲームセンス、いい響きね」
たちき「僕も欲しいです、ゲームセンス」


シャール「ちなみにその彼は今でもゲーマーなの?」
たちき「どうなんでしょう。知り合った当時、僕をオタクの世界に引き込んだオタク仲間のうちの一人ですが、今は僕みたいに脱オタクとしてリア充を満喫してる……と思います」
シャール「じゃあ最近は遊べてないんだ」
たちき「とある偶然の邂逅を除くと、もうそろそろ三年近く会えてないです」
シャール「偶然も何も、あれは邂逅というかかなり意図的な……」
たちき「またいつか一緒にゲームしたいですね」