シャールと天気2

シャール「ほんとに夕方から雨が降ってきた……」
たちき「だから言ったじゃないですか。風にのって雨の匂いがしてきたって」
シャール「どんな匂い? 私わかんないんだけど」
たちき「言葉では表現しづらいんですけど、風が少し湿ってきて草っぽい匂いがするような感じでしょうか」
シャール「草っぽいって。また抽象的な」
たちき「だから言葉にしづらい匂いなんですってば」
シャール「それ、他の人もわかるの?」
たちき「どうでしょう。わかってくれる人もいましたよ。雨の匂いがしてきたからもうすぐ雨降りそう、みたいな」
シャール「……実は一部の人しか持ってない特殊能力なんじゃ?」
たちき「そんなことはないでしょ。まあネットでも、雨の匂いがわかる人とわからない人で意見は分かれてますけど、つまりわかる人も多数いるわけで」
シャール「地域差もあるのかな。海沿いとか都会とかだと匂いがわかりづらいとか」
たちき「そういう意見もあるようですね。このあたりは田舎だから、わかりやすいのかもしれません」
シャール「私、わかんない。なんか悔しいんだけど」
たちき「まあ、雨の匂いがわかったからといってだからなんだという話ですし。ちなみに、以前ネットで見かけたのですが、雨が降る前に風にのって雨の匂いが薫ってくる様子を『風薫雨匂(ふうくんうこう)』と呼ぶらしいですよ」
シャール「まんまじゃない。ていうか『匂い』って漢字は『こう』って読むの?」
たちき「どうでしょう。僕に聞かれても」
シャール「ちなみにどこで見かけたの?」
たちき「覚えてないですけど、どっかのブログだった気がします」
シャール「わかった。気になるから探してみるね」