シャールとお洋服9

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たちき「すごい気になるお洋服を見つけました」
シャール「どれどれ?」
たちき「一枚目の写真を見てください。パソコンの画面を写メったから写りが悪くて申し訳ないです」
シャール「薄緑色のマキシ丈半袖ワンピースね」
たちき「色といい袖の透けてる感じといい、裾のふんわりとした感じといい、超どストライクですよ。自分が女の子だったらこういうお洋服が着たいという、理想が詰まってます」
シャール「なるほどね。確かにたちきの好きそうな服だわ。どこで見つけたの?」
たちき「ネット広告っていうんですか。ネットしてる時に見ていたサイトでたまたま見かけたんです。いつもはネット広告ってクリックしないんですけど、あまりの可愛さに初めてクリックしてしまいましたよ、ネット広告」
シャール「そこまでなんだ。リンク先はどうだった?」
たちき「二枚目の写真がリンク先の画像です。ワンピースの裾をさらにふわっと広げてます。いいですね、すごくいい」
シャール「買って、彼女さんに着てもらえば?」
たちき「そんな相手いませんし」
シャール「じゃあ私が着るから買って」
たちき「シャールは、身長約30センチの妖精だから。人間サイズの服、着れないでしょ」
シャール「大丈夫。私の能力で服を私サイズにリサイズできるから」
たちき「初めて聞いたけど、そんな能力」
シャール「でもちょっと高そうな感じするから、たちきのお財布には厳しいのかな」
たちき「そうなんですよ。いくらかな、五桁するのかなって思って値段を見たら……三枚目の写真の左下に注目です」
シャール「税込、3299円?」
たちき「買えそうな値段ですね」
シャール「これはポチるしかないでしょ」
たちき「ポチってどうするんですか」
シャール「部屋に飾る」
たちき「飾ってどうするんですか」
シャール「眺める」
たちき「眺めてどうするんですか」
シャール「愛でる」
たちき「愛でるって言われても……」
シャール「香水を降りかけて女の子っぽい匂いを着けて、お洋服を抱きしめる」
たちき「そこまですると怪し過ぎませんか」
シャール「じゃあたちきが着るしか」
たちき「僕が着ても似合わないでしょ。こういう服を可愛い女の子が着てるのを見るのが好きなわけで」
シャール「最近はやりの女体化で」
たちき「興味あるけどどうやるんですかそれ」
シャール「中国の呪泉郷ってとこで」
たちき「ら○まかよ」
シャール「となると、やっぱり誰か女の子の知り合いに頼んで着てもらうしか」
たちき「残念ながらそんな無茶を聞いてくれそうな女友達はいません」
シャール「とりあえず買ってから考えようか」
たちき「買いませんてば。残念ですけど」
シャール「けち〜」
たちき「買っても誰も着ないんじゃ、服にも作ってくれた人にも申し訳ないですからね」