シャールとファンタジー10

たちき「ただ、ロトの紋章の合体魔法、いくつか『それはどうなの? もったいない……』というのもあります」
シャール「それは魔法の効果の話か? 名前の話か? それとも組み合わせの問題か?」
たちき「組み合わせです。まずスカラル」
シャール「味方全員の守備力を増強する魔法だな」
たちき「そうです。スカラとスカラを合体させた魔法ですが、スカラといえば皆さんご存知、味方一人の守備力を増強する魔法ですよね」
シャール「そうだな。みんな知ってる魔法だな」
たちき「そして同じ系統で、味方全員の守備力を増強する、スクルトという魔法があるんです」
シャール「確か、全員に効果がある分、増強度はスカラより弱いんだったか」
たちき「シリーズによって違うようですが、僕の知ってるスクルトはそうでした。だからスカラ系の合体魔法なら、単体の守備力をかなり上げるスカラと効果が弱くても味方全体にかけられるスクルトを合体させて、味方全員の守備力をかなり上げる魔法にしたほうがよかったんじゃないかなって、初めて読んだ子供の頃に思いました」
シャール「子供らしいちょっとした疑問だな。まあ言いたいことはわかる」
たちき「次にオクルーラ」
シャール「ルーラとルーラを組み合わせて、対象を指定の場所へ送る魔法だったな」
たちき「魔法の名前が送る、とかかっていてネーミングはうまいと思ったんですけど、なぜルーラとルーラだったのか」
シャール「そう言うからには、たちきなら何か違うアイディアがあるということか」
たちき「ドラクエの世界には、皆さんご存知、バシルーラという魔法があります」
シャール「対象をどこかへ飛ばす魔法だな。みんな知ってるぞ」
たちき「そしてルーラは、術者の知ってる場所しか行けないのです。だからルーラとルーラじゃなくて、ルーラとバシルーラを組み合わせれば、対象を術者の知っている場所へ送る魔法にできたのになって、初めて読んだ子供の頃に思いました」
シャール「なるほど。なかなかいいアイディアじゃないか」
たちき「あとはバイバーハもちょっと疑問が残る合体魔法でしたけど、でも初の合体魔法としては使い所もネーミングもめちゃくちゃかっこよくて、とても印象に残ってる魔法ですね」
シャール「ゲームでは火炎や吹雪のダメージをやわらげる魔法だけど、漫画では完全防御してる描写が多いよな」
たちき「バイバーハは防ぐだけでなく倍にして跳ね返してますからね。今思えば、攻撃力を倍にするバイキルトのような、バイ系呪文なのかもですね」
シャール「初めて聞いたぞ、そんな系統。ならいっそ、フバーハバイキルトの合体魔法でバイバーハのほうがよかったんじゃないか」
たちき「その発想はなかったです。合体魔法は夢が広がりますよね」
シャール「合体魔法といえば、たちきの作品でも似たようなのがあったよな。あれは結局どうなったんだ?」
たちき「……あ〜、じゃあ近いうちにその話もします」