たちき「え、この歌って重いテーマなんですか? さとうきびを収穫するほのぼの系ソングでは?」
シャール「ほのぼの系……にしては、曲調がちょっと暗めだと思わない?」
たちき「そう言われて思い返すと確かに……。ちなみに、重いテーマってなんですか? 畑とかだと環境問題? それとも原野がずたずたで排気ガスが森を枯らしたり?」
シャール「後者はアイヌをテーマにしたあの歌だよね。そうじゃなくて……なんて言うかな。さとうきび畑って、どこにあるか知らない?」
たちき「有名なのは沖縄では? あ、これも沖縄の歌?」
シャール「そうみたいだよ。私も少し調べてみたんだけど、たちきも歌詞を見てみればわかると思う」
たちき「(歌詞を見ながら)……戦争の歌だったんだ。しかも原曲は全部で11番まである……」
シャール「やっぱり知らなかった?」
たちき「全然知らなかったです……(歌詞を見ながら)」
シャール「たちきが覚えてるのはどのあたり?」
たちき「いや……(歌詞を見ながら)♪ざわわ ざわわ ざわわ、とか。♪風が通り抜けるだけ、とか、多分そのくらいかも。あと実写風景」
シャール「ネットで調べてもそういう感想は多いみたい。この曲は知ってても戦争の歌って知らなかったって。たちきが知ってるのはショートバージョン? それとも5分バージョン?」
たちき「全然わかんないです。そこまで覚えてない。でもこの曲は耳に残ってますよ。あと実写風景(歌詞を見ながら)」
シャール「じっくり歌詞見てるけど、やっぱり驚いた?」
たちき「驚きました。この曲を取り上げてなかったら多分知らないままだった。いつか11番までのフルコーラスバージョンも聴いてみたいけど」
シャール「公民館併設の図書館とかに昔のCDがあったりするよね。探してみるのはどうかな」
たちき「そうしてみようかな。他のみんなのうたも気になるし」
シャール「今日のたちきに、この曲の思い出は? とか聞く雰囲気じゃないんだけど」
たちき「そうですね。ちょっとそれどころじゃないかな。歌詞を見てたら思い出も何も……って感じです。すみません。勉強して出直します。気を取り直して明日の曲紹介いいですか」
シャール「いいよ。気分転換に明るい曲にするとか、どうかな。うきうきとステップを踏みたくなるような歌」
たちき「明るくてステップを踏むような……あ、一曲思いつきました」
シャール「では曲名をどうぞ」
たちき「『赤鬼と青鬼のタンゴ』」
シャール「ほんとに踊りの歌だね」