シャールと佰物語・音楽

たちき「音楽は好きだったよ。得意とまでは言わないけど、歌も楽器も合唱も合奏も、クラシック鑑賞も」
シャール「覚えてることは何かある?」
たちき「小学校の時って、三年から音楽の先生に教わるんだけど、若くて綺麗な先生だったんだよね。たまに構ってもらったり何かにつけて指名されたりして、ちょっと嬉しかった」
シャール「それが初恋だったとか」
たちき「そんなことはないです。学年が上がると鼓笛隊というのがあって、トランペットやってました。楽器といえばリコーダーも好きだったな。どこまで高い音が出るか試したり」
シャール「中学はアルトリコーダーになるんだっけ」
たちき「そうだけど、個人的にはソプラノリコーダーのほうが好きだから、多分まだ部屋にとってあるかも」
シャール「とっといてどうするのよ。使わないでしょ」
たちき「中学の音楽の先生にも気に入られてたかな」
シャール「また若い女の先生?」
たちき「いや、男の先生」
シャール「…………」
たちき「なんで黙っちゃうの。ユーモアのある面白い先生でしたよ。ちなみに合唱コンクールで印象に残ってる歌は、時の旅人」
シャール「……で、高校は?」
たちき「選択授業はもちろん音楽選んだ……って思ったんだけど、違ったかな。一年は全員音楽で二年から美術か書道選ぶんだったかな。ちょっとうろ覚えです。びっくりしたのが、クラスの半数以上がピアノ経験者だったこと」
シャール「男子校って言ってなかった?」
たちき「だからびっくりなんだよ。ちなみにギター経験者も三分の一くらいいた」
シャール「どんな学校なのよ。実はたちきって音楽科だったとか?」
たちき「いえ、違いますけど」