シャール「では、ウィザーズ・ブレインではどうやって魔法を使うか、たちきに簡単に説明してもらおう」
たちき「え、説明するんですか。簡潔に説明するの難しいから気になる人はググってもらいたいんですけど」
シャール「わかった。じゃあ簡単じゃなくていいからひとことで説明してくれ」
たちき「さらに難しくなってるし! ……わかりましたよ。じゃあ一般的な魔法と比べて説明します。たいていのファンタジーでの魔法習得は、修業か遺伝か覚醒か巻物から覚えるか神から力を授かるか精霊に力を借りるか悪魔と契約するか……まあそんな感じだと思います」
シャール「ゲームならレベルアップやお店で買ったりもあるな」
たちき「ところがこのウィザーズ・ブレイン、魔法を使うためには外科手術をする必要があります。しかも脳」
シャール「小さなコンピュータか何かを埋め込むんだったよな」
たちき「コンピュータでプログラムを組んで様々なものを制御する延長で、脳に埋め込んだ超スペックコンピュータで身の回りの物理法則なども制御できるのでは、という発想のもと、情報制御理論というものが生まれて、魔法士と呼ばれる者達が活躍する世界でのお話です。……うろ覚えで書いてますけど、こんな感じだったよね?」
シャール「私に聞かれてもわからないが。それで、ウィザーズ・ブレインにはどんな魔法が出てくるんだ?」
たちき「魔法……というか、あえて能力と呼びますが。まずは『炎使い』。空気中の分子運動を制御して、熱量を高めて炎を作ったり、逆に熱を奪って冷やして氷を作ったりできます。作中では氷の盾や氷の弾が攻撃方法としてよく登場しますね」
シャール「ふと思ったんだが。つまり『炎』と『氷』は同じ系統のものとして扱われているのか?」
たちき「そうなりますね」
シャール「……昔読んだマンガで、似たような説明があった気がするんだが」
たちき「ありましたね。ダイの大冒険でマトリフ師匠が言ってました。メドローア伝授の時に」
シャール「ああ、あれか。思い出した。つまり、ドラクエの世界でも『炎』と『氷』は対になる魔法属性だったわけだ」
たちき「確かに。そう考えると、一般的なファンタジー魔法でよくある『水』と『氷』をひとまとめの属性として考えるより、分けたほうがいいのかなとか思ってしまいますね」
シャール「たちきの作品でも、『炎』の反属性は『水』だったよな」
たちき「そうですね。ちょっと再考するか、違う作品の時は『炎』⇔『氷』で作るか……ちょっと考えます」
シャール「すまない、話が逸れたな。他にはどんな能力が出てくるんだ」
たちき「その前に一つ補足です。魔法を使うために外科手術をして後天的に使えるようになるパターンの他に、最初から魔法士として設計されて培養槽で受精卵から管理されて成長する、先天的タイプの魔法士もいます」
シャール「そういう存在もいるのか。さすが近未来SFファンタジー。というかそのあたりはSFだな」
たちき「そですね。やっぱりファンタジーというよりはSFですよね。今からでも別のファンタジートークします?」
シャール「いや、せっかくだからウィザーズ・ブレインの能力使いの話を続けてくれ。さっきの『炎』と『氷』みたいに、ファンタジーの魔法を科学的に説明できるようなのが他にもあるかもしれないだろ」
たちき「わかりました。では次の能力は……」