シャールと自転車7

たちき「さて、僕の自転車について、親に聞いてみました」
シャール「あれ、自転車トークを始めた日に、それは聞かないって言ってませんでした?」
たちき「話の流れで偶然聞くことができました」
シャール「どうでしたか。たちきの紫色の自転車の秘密でしたよね」
たちき「『お前、自転車持ってたっけ』by父親。そりゃないですよお父様……」
シャール「色がどうとかそれ以前の問題ですね」
たちき「『妹の自転車を車に乗せて運んだ覚えはあるよ』by母親。あの、お母様。僕の自転車は……」
シャール「息子より娘のほうが可愛いんでしょうか」
たちき「そんなわけで、なぜ紫色の自転車を買ってもらえたのかはわかりませんでした」
シャール「……むしろ、実はたちきの記憶が間違っていて、両親の言うことが合ってる可能性も?」
たちき「ないから。ちゃんと中学高校と大学一年目と、約七年乗ったから。大事にしたから」
シャール「そういうことにしておきます」
たちき「だーかーらー」
シャール「そういえば、昔はまだ二人乗りとかできたんですか? 今ほど厳しくなかったとか」
たちき「どうだったかな。とりあえず僕はやったことないです。ノーヘルと同じで、禁止されてることをわざわざやらない派だったので」
シャール「女の子を後ろに乗せるシチュエーションに憧れませんか」
たちき「それは確かに憧れますね。だからやるなら私有地とかじゃないですか。公道を二人乗りはいろいろ危険でしょう」
シャール「アニメとかでもたまに見かけますよね」
たちき「二次元を例に出されても……。多分それは、二人乗りに罰則がない世界か時代なんじゃないですか」
シャール「マジレスされました」
たちき「前カゴもあんまり何か入れた覚えがないですね」
シャール「物にもよりますけど、道の凹凸や段差で跳ねますからね」
たちき「そうです。うっかり落としたりもあるからあんまり使わなかったのかと」
シャール「それで結局、中学時代に自転車でどこまで行ったかは……」
たちき「……市内の体育館とか? 大会の時に部活のみんなでぞろぞろと。あ、市内の運動場も行ったかも。学校の運動会が現地集合でサイクリングロードを走った覚えが。市内の図書館にも行ったかも。あとは街中のお祭りとかは……自転車で行ったら停めるとこないよね。電車で行ったのかな」
シャール「急にあちこちの名前が出てきましたね」
たちき「ひとつ思い出したら連鎖的にあれこれ思い出しました」
シャール「でも市内からは出てないみたいですね」
たちき「そうかも。小学校は校区内、中学校は市内くらいまでが行動範囲だったのかもです」
シャール「では明日からいよいよ高校編ですね。きっとあちこち行ったお話が聞けるはず」
たちき「なんでハードル上げるんですか!?」