シャールと自転車90

たちき「昨日のサイクリングの補足です」
シャール「何か語り足りないことでも?」
たちき「洋服についてです」
シャール「季節が変わるたびにその話題になりますね」
たちき「サイクリングの時の服装は難しいんですよ。もともとは、気軽にいつもの私服のままで、がたちきサイクリングのコンセプトだったんですが」
シャール「いよいよサイクリングウェアが欲しくなってきたとかですか?」
たちき「そこまでではないですが、私服、つまり普段着ではなくてジャージというかスポーツウェアにすべきかなとは思い始めました。というか結構前から思ってました」
シャール「普段着だと何か問題があったんですか」
たちき「冬の寒さも問題でしたが、今の時期は暑さと日射し対策が問題です。昨日は半袖Tシャツに半袖Yシャツを着てアームカバーをしたわけですが……これを見てください」
シャール「……見事に焼けてますね。二の腕が数センチくらい」
たちき「半袖Tシャツも半袖Yシャツも、袖短めなスタイリッシュデザインなんですけど、袖が短いせいで袖とアームカバーとの間に隙間ができてしまっていたようです。さらに……」
シャール「首もとと首の後ろも赤いですね」
たちき「Tシャツの襟が大きく開いてるので」
シャール「なんでそんな服を選んだんですか」
たちき「吸水性とか風通しとかですね。夜のジョギングにはぴったりですが、日中のサイクリングには向かないようです」
シャール「となると解決方法は?」
たちき「無難なのは袖長めの半袖Tシャツや半袖Yシャツにするか、思いきって長袖にするかですが、そこで初めの話題に繋がります」
シャール「なるほど。スポーツウェアですか。具体的にこういうのがいいというのはあるんですか?」
たちき「まず緑色で……」
シャール「いきなり選択肢がせばまりましたね」
たちき「半袖ではなくてあえて長袖で、メッシュ地で風通しがよくて、吸水性ある生地で、日焼け対策のUVケア機能もあって、首回りが焼けないように襟もあって、フロントはファスナーで暑いときは前を開放できるようなウェアがいいかなと」
シャール「ずいぶん盛りましたね。つまり薄手のパーカーということですか?」
たちき「パーカーじゃなくても、今の条件に当てはまるならスポーツウェアなら……」
シャール「そんな都合よくありますか」
たちき「という洋服を、実は持ってます」
シャール「どういうことですか?」
たちき「去年の夏が終わる頃に、セール品を買っておいたんですよ。それがこちなりなります」
シャール「ほんとに長袖で、たちきがさっき言った条件のスポーツウェアなんですね」
たちき「ただ、この服にはちょっと問題がありまして」
シャール「何かありますか? 機能性は充分だと思いますけど」
たちき「ちょっと色が派手というか、ぶっちゃけ僕に似合わないかもで……」
シャール「それは服の問題じゃなくて、服を選んだたちきの問題ですよね!」
たちき「そうとも言いますが、この緑色……パステルミントがちょっと明るくて女の子向けな色なんですよね」
シャール「他の色はなかったんですか? もっと落ち着いた色とか」
たちき「黒があればそちらを選んだかもですが、服のタグにある説明に、夜間でも視認性を高める(以下略)とあり、明るさもウリの一つなんだと思います」
シャール「ちなみにその服の他の色は……」
たちき「覚えてる限り、パステルピンクとパステルイエローとラベンダーはあった気がします」
シャール「なるほど。それでたちきは緑を選んだんですね」
たちき「ラベンダーもちょっとひかれましたけどね。そんなわけで、次回のサイクリングはこの新しいウェアで行こうと思います……が」
シャール「が」
たちき「……大丈夫でしょうか。ちょっと僕に似合わなすぎじゃないでしょうか(そわそわ)」
シャール「私からはなんとも言えませんが、そもそもサイクリング中ってそんなたくさんの人の目があるんですか? 誰かとすれ違うにしても一瞬ですよね」
たちき「それもそうですね。別に人の目を気にする必要はなくて、実用性第一でいいんですよね。ちょっと気が楽になりました」


シャール「話は変わりますけど、いいですか?」
たちき「なんでしょう」
シャール「すれ違うで思い出したんですけど、昨日のサイクリングですれ違ったおじさんがやっていた合図? サイン? みたいのはなんだったんですか? たちきはわかります?」
たちき「ありましたね。ちょっと長くなるので、続きは明日か次回の自転車トークで話します」
シャール「わかりました」