シャールと自転車36

たちき「大変です、シャールさん」
シャール「はいはい、また自転車に乗らない期間があいたんですね」
たちき「前回から約二週間乗ってなくて……って先読みされてる!?」
シャール「毎回同じパターンじゃないですか。だから日付変わった今から深夜のサイクリングにいきますって話ですよね」
たちき「惜しい。もう行ってきました。00:35出発、01:30帰宅です。ちなみに24度、曇り、微風」
シャール「いつもなら二時間くらい乗ってますよね。ずいぶん早く帰ってきましたけど、何かトラブルでもあったんですか?」
たちき「実はですね。走り出してすぐ、タイヤに違和感があって」
シャール「違和感、ですか?」
たちき「なんていうか、タイヤがふにゃっとしてるような感じで」
シャール「パンクしてるんじゃないですか」
たちき「パンクというほどでは多分ないんですけど、空気が少し足りない気がして。ちなみに前回乗った時も実は少し違和感ありました」
シャール「毎回乗る前にちゃんと確認しましょうよ」
たちき「指でタイヤを押してみたんですけど、どのくらいが通常でどのくらいが空気抜けなのか、比較対象がないからわかんないんですよ」
シャール「確かに慣れないとわからないかもですね」
たちき「そんなわけで、片道約一時間のサイクリングはあきらめたんです」
シャール「じゃあ結局空気入れてないんですか?」
たちき「……空気入れ、持ってなくて」
シャール「ダメじゃないですか。どうするんですか」
たちき「家の近くにあるショッピングモールの駐車場の片隅に、無料の自転車用電動空気入れがあるのを思い出して、そこへ行って空気入れてきました」
シャール「深夜一時に、駐車場にはいれたんですか?」
たちき「深夜までナイトシネマやってるモールなので大丈夫……と思ったら、こういうご時世なので映画もやってなくて駐車場も閉まってました」
シャール「じゃあダメだったんですね」
たちき「いえいえ、先程、空気入れてきました、と書いたじゃないですか」
シャール「まさか駐車場へ違法入場したんですか」
たちき「安心してください。駐車場への車用入口が閉まっていただけで、歩行者用入口は開いてました。そこから駐車場へ入ってお目当ての空気入れを使って……」
シャール「でも駐車場は真っ暗なのでは」
たちき「そうです。暗い中、携帯電話の横のボタンを長押しして背面のライトを点灯させて、空気入れの使い方説明を読みながらなんとか空気入れられました」
シャール「深夜に空気入れとか、怪しい人ですね」
たちき「そうですね。次回は明るいうちにっていうか、そのモールの営業時間に行くとしましょう」
シャール「そのあとの帰り道で、タイヤはどうでしたか」
たちき「やっぱり空気のあるなしで乗り心地が全然違います。今後は気をつけようと思いつつ、もう少し空気入れてもよかったのかなと感じました」
シャール「一度、買ったお店に持っていってみるのはどうですか」
たちき「……自転車で行くには、ちょっと遠いんですよね」
シャール「車に乗せていけばいいじゃないですか」
たちき「そうですね。では次回のドライブであのお店方面に行くときにでも」