シャールとゲートボール6

シャール「昨日までの、たちきのゲートボール戦略を聞いてふとひらめいたんだけど」
たちき「何をですか?」
シャール「ゲートボールは相手チームを妨害するチーム戦なんだよね」
たちき「そうですね。だから戦い方によっては非常に嫌らしい試合運びになったり特定メンバーだけを攻撃するようなことになったり、あまり書きたくはないですが……いじめに近いことが起こることもあるとかないとか」
シャール「それなら、私が新しいゲートボールを提案するよ!」
たちき「新しいゲートボール?」
シャール「チーム戦じゃなくて個人戦にするんだよ」
たちき「1対1のタイマンということですか? それだと相手ボールに当てるスパーク打撃の駆け引きが少ないし、広いコート内にボール2個じゃ寂しいんじゃ……」
シャール「だから、ボールは10個使うの」
たちき「えっと、つまり……赤チームは1人で1・3・5・7・9のボールを順に打っていって、白チームは1人で2・4・6・8・10を順に打っていくってこと?」
シャール「そう!」
たちき「…………なるほど。ちょっとありかもしれない。確かにそれなら一人で自由に戦略練れるし、面白そうかも」
シャール「どやぁ」
たちき「でもコートも結構広いし、コート外に飛ばされたボールの救出とかもあるから完全に1チーム1人だと難しいかも。サポートメンバーは必要かも?」
シャール「それならボールを打つアタッカー1人、サポートやコーチングをする1人が組んで1チームの2人制にするとか」
たちき「それなら最初から1チーム2人にして交代で打ってくとかでいいんじゃない?」
シャール「それもありだけど、それだと個人競技にならないんだよ。たちきだって団体競技よりは個人競技のほうが好きでしょ?」
たちき「そうだけど」
シャール「だから私は、やっぱりタイマンゲートボールを提案するよ」
たちき「名前、なんとかなりません?」
シャール「じゃあ新しいゲートボールの名前を考えよう」
たちき「普通に1人制ゲートボールじゃだめなの?」
シャール「ダメじゃないけど、それじゃちょっと味気ないよ。もっとありそうでなかった斬新な名前がいいな」
たちき「じゃあちょっと検索してみますか。もしかしたらもうあるかもしれないし、1人制ゲートボール」
シャール「あるかな〜。ないと思うな〜。私の考えた斬新なタイマンゲートボール」
たちき「………………あ」
シャール「『あ』ってなに? 何かいいの思いついた?」
たちき「リレーション」
シャール「なにそれ。どういう意味かな」
たちき「意味は『関係』とからしいけどそうじゃなくて……2人制ゲートボール、または3人制ゲートボールのことをそう呼ぶんだって」
シャール「なんだって〜。じゃあすでに少人数ゲートボールはあるんだ」
たちき「1人制はないみたいだけど、まあやっぱり似たようなこと考える人はいるんだね」
シャール「残念だよ。私だけのとっておきアイディアだと思ったのに」
たちき「1人制はまだないみたいだから、そのあたりの詳細を決めて提案するならワンチャン可能性あるかも」
シャール「じゃあそこはたちきに任せるよ」
たちき「なんでだよ」