シャールとボウリング14

シャール「他に何か、たちきからボウリングについてのネタはある?」
たちき「えっと、じゃあアメリカンについて語ります」
シャール「なんで急にコーヒーの話題になるの?」
たちき「違いますよ。コーヒーのアメリカンじゃないです。ボウリング用語にもアメリカンというのがあるので、それについて語ろうかなと思います」
シャール「何それ、知らなかった。メジャーな用語?」
たちき「どうかな。僕もボウリングを始めて二年くらいは多分知らなかったし。友人達とボウリングサークルを作った頃とかに知ったのかも」
シャール「で、アメリカンてなんなの?」
たちき「『アメリカン方式』という投球順やレーンの使用に関するシステムのことです。最初はわかりづらいかもなので、まずは基本からいきます」
シャール「投球順って言ったって、みんなで順番に投げるだけでしょ。他に何かある?」
たちき「順に話しますってば。だいたいのボウリング場は、1レーン最大6人まで遊べます」
シャール「30レーンあるボウリング場なら、最大180人同時にできるのね」
たちき「そうです。大会で貸し切りとかもありますね。そしてだいたいのボウリング場は1&2番レーン、3&4番レーンみたいに2レーンがくっついていて、ボールが戻ってくる場所は共通です」
シャール「あ、それは知ってる。だから仲間うちで1&2番の2レーン使えるといいけど、自分達が1番レーン、知らない人が隣の2番レーンとかだとちょっと気を使うよね」
たちき「投球の譲り合いとか大事ですから、重要です。しかし、ボウリング場がすいてる時間帯なら今シャールが言った通り、1&2番レーンを使うこともできます」
シャール「つまり6人でやるとしたら……1レーンだけでも遊べるけど、2レーン使えれば1レーン3人ずつに分かれてさくさく投げられるってことだね」
たちき「そうです。しかし、問題が一つ。6人や4人の偶数なら、2レーンに分かれても問題はないのですが、奇数の場合。5人とか3人でボウリングやろうとして、すいてるから2レーンで投げようとしたら……」
シャール「少ない人数のほうが早く投げ終わってしまって、多い人数が投げ終わるのを待つことになる? でもそれだとみんなで最後まで『10フレが勝負!』みたいに盛り上がらないかもね。特に先に投げ終わってるほう」
たちき「そうです5人で3・2に分かれるならまだしも、3人で2・1に分かれたら1人のほうは単純計算で半分の時間で投げ終わっちゃいますし」
シャール「かといって1人側がゆっくり投げるのも微妙よね」
たちき「そうですね。それならいっそ、3人1レーンで投げたほうが盛り上がるかもしれませんし」
シャール「じゃあどうするのよ」
たちき「そんな時、つまり僕たちボウリングサークルの3人でめっちゃすいてる時にボウリングやろうとしたら、顔なじみになった店員さんに言われたんですよ」
シャール「なんて?」
たちき「『アメリカンでやりますか?』」