シャールと徒歩帰宅2

たちき「そして数ヶ月後、三回目の挑戦です」
シャール「やっぱり数ヶ月後なんだ」
たちき「三回目にして、やっと徒歩帰宅チャレンジに成功したわけです」
シャール「まあ、二つ目の駅を過ぎた時点で、あとはもう歩ききるしかないもんね」
たちき「バスも(多分)ないですし。いや、あるかもしれないけど乗る予定はないので」
シャール「で、どれくらいかかったの?」
たちき「正確には覚えてないですが、初めての時は2時間近くかかったんじゃなかったかなと」
シャール「まあ普段から歩き慣れてないと、いきなり10キロ歩くのは大変よね」
たちき「だから歩くのは翌日が休みの時とか天気も悪くない日とか寒くない日とか、いろいろ好条件が揃った時なんです。そのあとも、三ヶ月に一回くらいを徒歩帰宅訓練日として、たまに歩いて帰っていたので……」
シャール「それが活かされたのが地震の時か」
たちき「そうです。電車がストップ、一帯が停電で信号も真っ暗という状況の中、音楽を聴きながら訓練通り何事もなく歩いて帰れました。あの時が初の徒歩帰宅だったら、途中で力尽きてたかもですし、訓練しといて良かったなと」
シャール「でも、電車通勤なのに徒歩で帰るのはありなの?」
たちき「う、痛いとこ突きますね。ありかなしかでいったら、多分なしです。なぜなら、申請している方法以外の通勤手段で事故った場合とかは、労災が下りないでしょうし」
シャール「やっぱり」
たちき「ただ、電車が止まってる時に歩いて帰るのはしかたないと思うんですけどね。余談ですが、地震の翌日は電車がまだ動いてなかったから、かなり久しぶりに車通勤した……んだったかな、確か」
シャール「相変わらずのうろ覚えね」
たちき「さておき、いざという時に備えて今でも一応徒歩帰宅訓練はしてるわけです」
シャール「そういえば、今回は半年ぶりって言ってなかった?」
たちき「前は三ヶ月に一度だったんですけど、諸事情で去年の同時期からは半年に一度の訓練になりました」
シャール「諸事情が気になる」
たちき「それはまあ、いつか機会があれば」