シャールとテニス3

たちき「高校ではテニス部に入りました。仮入部から入っていたので、他の部活には行ってません」
シャール「他の部活と迷わなかったんですか?」
たちき「実は一つだけ迷いました」
シャール「何部でしょう」
たちき「弓道部です。かっこいいので」
シャール「昨日もかっこいいからテニスに、みたいなこと言ってましたけど。たちきはかっこいい何かに憧れがあるんですか?」
たちき「そりゃありますよ。かっこよくなりたいしかっこよく見られたいじゃないですか」
シャール「女の子に?」
たちき「まあ、そうですね」
シャール「でも弓道ではなくテニスを選んだと」
たちき「昨日も書いた通り、テニスはずっとやりたかったんですよ。三年越しでやっと機会を得たわけです。弓道は、まあほんとに少し迷っただけで」
シャール「今でも興味はあるんですか?」
たちき「弓道ですか? ありますよ。引けるものなら引いてみたいです、弓。そして矢を撃ってみたいです」
シャール「なるほど。気になる女の子のハートを射止めたいと。弓道だけに」
たちき「なんでそうなるんですか」
シャール「じゃあテニスで女の子を狙い撃ちしたんですか? 変化球じゃなくて直球勝負で」
たちき「いやだからそうでなくて。別に女の子目当てでテニスやら弓道やらしようとしたわけではないのですが」
シャール「違うんですか……」
たちき「なんでそこでがっかり?」
シャール「部活でのときめきトークを期待してたんです」
たちき「あれ、言ってませんでしたっけ。僕、高校は男子校だから、女の子との恋愛話とか基本ありませんよ?」
シャール「男の子との恋愛話でもいいですよ?」
たちき「もっとないから!」
シャール「なんて言って、ほんとは?」
たちき「ないない、ありえないです。そういうのは妄想の世界の出来事です」
シャール「残念です…………」
たちき「さっきよりさらにがっかりしてるし」