シャールと格闘ゲーム7

たちき「KOF98といえば、ゲーム以外にも一つ、いや二つ、思い出したことがあります」
シャール「なによ」
たちき「一つはKOFの小説っていうかノベライズなんですけど、今でもサブタイトルを覚えてます。最大多数の最大幸福」
シャール「聞いたことある慣用句だけど、どういう意味?」
たちき「いや、この際意味はどうでもよくて、小説の中身です。KOF98の全キャラを小説に登場させるという無茶苦茶な内容でした、いい意味で」
シャール「単行本1冊にあの人数を? 無理がない?」
たちき「ありましたよ。ほんとにはちゃめちゃでギャグ全開のめっちゃ面白い内容でした、いい意味で」
シャール「でも、それくらいなら普通じゃない?」
たちき「そこでもう一つなんですけど、この小説が出る前の月に、KOF98の超どシリアスな小説が出てるんです。サブタイトルは遺された者たち。ちなみに同じ作者さん」
シャール「内容は?」
たちき「簡単にさわりだけ話すと、いなくなってしまった草薙京を追い求める真吾が紅丸とちづるとチームを組んで次のKOFに参加するお話です」
シャール「なるほど、京においてかれた、遺された者たちっていうことだね」
たちき「真吾の成長を描いたり紅丸と真吾の京に対する思いがぶつかりあったりちづると紅丸の大人な会話があったりして、シリアスないい話だったんです。でも結局、京は帰ってこないまま物語は終わり……」
シャール「それがどうなったの?」
たちき「上に書いた、翌月刊行の最大多数(以下略)の冒頭で、『草薙さん……』とたそがれてる真吾の前に軽い感じで帰ってくる草薙京。それだけでも、ファッ!? とか思ったのに、そこから始まる怒涛のギャグ展開」
シャール「それは……前作と別ルートなんじゃない?」
たちき「そうかもしれませんね。だって車壊したりヘリコプターに踏まれたり、若干のキャラ崩壊もあり、嘘だろおい、っていうお笑い展開満載で。後輩と二人で『あの本はすごいよね』『すごいですよね』と語り合ったのをよく覚えてます」
シャール「ちょっと気になってきたんだけど」
たちき「どこいったかな。すぐには出てこないかも。でも、ぜひ二冊セットで読んで欲しい小説です」
シャール「なら探しておいてね。機会があったら読んでみるから」