シャールと麻雀16

シャール「最後の一つは……なんなんですか、アレ。ほとんどの牌が透明で、手牌がバレバレじゃないですか」
たちき「アレはですね。正確には全牌のうち四分の三が透明なんです。僕も詳しくはないんですけど、なんとかという漫画に登場する雀牌だそうです。通称鷲巣麻雀」
シャール「アレで麻雀してるんですか?」
たちき「僕は読んだことないからわからないですけど、多分」
シャール「でもこれ、もう麻雀とは別のゲームですよね。相手の手牌も自分の手牌も大半が見えてるってことは、いかにして見えない牌を推理するかってことですし」
たちき「そうなりますね、多分。例えば透明な三萬と透明な五萬の間に不透明な牌を挟んでおいて、四萬かと思わせて北単騎待ちとか」
シャール「それとも、手牌の並びは必ず、左から順に萬子筒子索子字牌にするとか共通ルールを作っておくともアリかもですけど」
たちき「なるほど。自分達のルールを作るんですね」
シャール「ちなみにあの透明牌を使ったことは?」
たちき「ありません。さすがに仲間内でも、これで麻雀はちょっと……ってなりました。まあいつか、普通の麻雀に飽きた頃にやってみるのもありかなと。それまで眠っていてもらいます」
シャール「でも、麻雀に飽きることなんてあるんですか? ただでさえ、今は一年に一回やるかやらないかなのに」
たちき「……普通の麻雀で十分かなって気はしてます」