シャールと佰物語アナザー・名札

シャール「名札を着けるのって小学生だけ?」
たちき「いや、中学生の時も着けてたよ。高校は覚えてないけど」
シャール「小学生だと身分証も兼ねてるのかしら。裏に住所書いたり」
たちき「そう……だったかな。そんな気がする。表はクラスと名前で。厚紙をプラスチックの名前ケースみたいなのに入れるタイプの、ザ普通の名札だった」
シャール「中学の名札は?」
たちき「学年組名前と校章だけ書いてある、プラスチック製のかっこいい名札だったよ。小さくてシンプル」
シャール「見た目はいいけど、小さいとなくしそうね」
たちき「はい、なくした経験あります。学年始まりで予備含めて2個貰うんだけど、ある時2個ともなくして」
シャール「買い直したの?」
たちき「うん。しかも新しいのが来るまでは手書きの名札を先生が作ってくれて着けてました。恥ずかしかった」
シャール「ならクラスにいる時以外、名札外してれば良かったじゃない」
たちき「そう気付いたのはついさっきで。なぜ学生時代の僕は律儀にあの名札を着けていたのか」
シャール「名札をなくしたことによっぽど混乱してたのね。結局見つからなかったの?」
たちき「新しい名札が届いたあとに、なくした2個とも無事に発見されました。鞄の中からとか家の机の中からとか」
シャール「ただの不注意じゃない」
たちき「ちなみに学校の側のハンコ屋さんが、公式か非公式かわからないけど名札も作っていて、放課後たまに賑わってました」
シャール「そんなにみんな名札をなくすの?」
たちき「いや、好きな男の子の名前の名札を注文してる女の子達で賑わっていたようで」
シャール「あ〜、なるほどね。直接もらうんじゃなくて、そういうので満足してるわけね」
たちき「男にはわからない女心でしたね、当時」