シャールと佰物語・移動教室

たちき「移動教室っていえば、美術室や理科室、音楽室や家庭科室が代表的だよね」
シャール「たいていの場合、違う校舎にあるのよね」
たちき「そだね。生徒数の少ないとこはわからないけど、通常の教室があるのが第二校舎だとしたら、職員室とかさっき書いた教室があるのが第一校舎とか」
シャール「それで今日はどの教室について語るの? 全部は語れないと思うからいくつかピックアップする?」
たちき「理科室や美術室のイスはなんでああいう形なのか、っていうのを語ろうと思ったけど、それより思い出に残ったお話が」
シャール「イスも気になるけど、まあいいわ。先にそのお話聞きましょう」
たちき「移動教室で移動する時ってさ、他のクラスも移動してるし、他のクラスとか、なんなら上級生や下級生のクラス前とか通ったりするから、いつも会えない友達や部活の先輩後輩、あとは憧れのあの人とかに会えたりするかもしれないんだよ」
シャール「なるほど。それで?」
たちき「すれ違う時とかに挨拶するわけですよ。『〇〇先輩、こんにちは〜』みたいな。一年の時とかだと、同じ部活の三年女子の先輩とか、素敵なお姉さんなんですよね」
シャール「あ、そういう話につながるのね」
たちき「三年になった時とか、部活の女子一年の子達とかもう可愛くて可愛くて。『あ、羽森先輩、こんにちは♪ (小声)……きゃ、挨拶しちゃった』みたいな。あとはちょっと小生意気な一個下の後輩女子がいて、人前だと『あ、どーも』みたいなそっけない感じなのに、周りに人がいない時は『先輩、もっとおしゃべりしましょうよ』みたいに言ってくるのは可愛かった」
シャール「昔から女たらしだったのね」
たちき「いやいやいや、昔からってなに!? 全然そんなじゃないです。たまたまその頃ちょっとそういう感じだっただけで」
シャール「はいはい。イスの話も聞きたかったけど、なんかどうでもよくなってきたわ」
たちき「なんなら今から……」
シャール「あ、時間ないんで結構です」