シャールと佰物語・屋上

たちき「屋上についてって言われてもさ。普通の学校は屋上って生徒の立入禁止なんだよね」
シャール「そうなの? 屋上でお昼ご飯食べたり、屋上から校庭を見下ろしたりするのって、よく見かけるけど。ゲームとかアニメとかで」
たちき「うん、つまりそういうことなんだよ。そういうのは二次元だけで、リアルにはなかなかないんだよ」
シャール「そうなんだ。屋上イベントって、学園ものの必須イベントだと思ってた。じゃあ屋上に一回も行ったことないの?」
たちき「いや、あくまで生徒の勝手な立ち入りが禁止されてるだけで、例えば理科や社会の授業の一環で先生とクラス全員とで屋上に行った、とかはあるよ。あれがなんとか山で、あっちに県庁が、みたいな」
シャール「なるほど。……で、ほんとはどうなのよ。こっそり屋上で逢い引きしたり」
たちき「逢い引きて。そんなのないよ」
シャール「なによ、つまんないわね。せっかく屋上があるんだから、イベントの一つ二つおこしなさいよ」
たちき「起きないからイベントっていうんです。あ、そういえば保育園は屋上にプールがあったのを今思い出した」
シャール「珍しい造りね。都会ならまだしも、こんな田舎にそんな保育園があるなんて」
たちき「だよね。そう考えると小中高の屋上も、もっと有効利用してもいい気がするよね」
シャール「たちきが屋上に何か作るとしたら、何を造る?」
たちき「やっぱり、ロマンチックな庭園かな。ベンチたくさん置いて、ゆっくりできる場所。透明な屋根と壁があって、雨が降っても寒くなっても使えるセントラルヒーティング完備のやつ」
シャール「なんでいきなりSFチックな話になるのよ。もう少し現実的なものを期待していたのに」
たちき「でも夢があっていいでしょ」
シャール「まあね。たちきらしいわ」